激しいかゆみを伴なう丘疹、結節を痒疹といいます。経過より急性、亜急性、慢性に分かれます。
急性痒疹は虫刺れに対する過敏反応で生じることが多く、小児に好発し小児ストロフルスともいいます。激しいかゆみにより搔いて、2次感染を起こすこともあります。亜急性痒疹は体幹や四肢に好発し、慢性痒疹に移行することもあります。
慢性痒疹は多形慢性痒疹と結節性痒疹に分かれ、多形慢性痒疹は高齢者の側腹部、腰臀部に好発し、慢性再発性の経過をとります。
結節性痒疹は四肢に下腿結節が生じ、搔いたためびらん、痂疲を形成し、慢性的に繰り返します。
治療はステロイド外用を行いますが、結節性痒疹にはステロイドのテープを皮疹部に貼付することも有効です。外用で改善がみられない場合は、紫外線療法を行うこともあります。
慢性痒疹は慢性に経過するため、根気強く加療する必要があります。また慢性痒疹は糖尿病、肝疾患、腎疾患、内臓悪性腫瘍などを背景に出現することともあるため、難治性の場合には全身検査の必要もあります。
妊娠性痒疹といって妊娠初期に四肢、体幹に痒疹が出現することがあります。2回目以降の妊娠で生じることが多く、出産後に改善します